アンドリス・ネルソンス、ウィーン・フィル名誉団員に選出──現代最高峰の指揮者が受ける最大級の栄誉
ラトビア出身の指揮者アンドリス・ネルソンスが、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の名誉団員に選出されたことが明らかになりました。クラシック音楽専門メディア「Slipped Disc」が速報として伝えています。
名誉団員とは、ウィーン・フィルがオーケストラに多大な貢献をした指揮者や音楽家に贈る最高位の称号です。これまでにレナード・バーンスタイン、カール・ベーム、ヘルベルト・フォン・カラヤンといった20世紀を代表する巨匠たちが名を連ねており、存命の指揮者としてはズービン・メータ、リッカルド・ムーティ、クリスティアン・ティーレマンらが選出されています。ネルソンスの選出は、彼が名実ともに現代最高峰の指揮者として認められた証といえるでしょう。
ネルソンスは1978年、ラトビアの首都リガ生まれ。トランペット奏者としてキャリアをスタートし、その後指揮に転向しました。サンクトペテルブルクでマリス・ヤンソンスに師事した経験が、彼の音楽性に大きな影響を与えたとされています。2014年からボストン交響楽団の音楽監督、2018年からはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスターを兼任し、世界で最も多忙な指揮者の一人として活躍しています。
ウィーン・フィルとの関係も深く、2020年のニューイヤーコンサートで指揮台に立ちました。このコンサートは世界90か国以上に中継される楽団最大の晴れ舞台であり、ネルソンスへの信頼の高さがうかがえます。また、ドイツ・グラモフォンからリリースされているベートーヴェン交響曲全集の録音でもウィーン・フィルと共演しており、両者の芸術的パートナーシップは着実に深まってきました。
今回の選出の背景には、こうした継続的な関係構築に加え、彼の誠実な人柄と音楽への真摯な姿勢が団員たちから高く評価されたものとみられます。ウィーン・フィルは団員による自主運営組織であり、名誉団員の選出も団員投票で決定されるため、オーケストラ全体からの敬意を反映した結果といえます。
46歳での選出は歴代でも比較的若い部類に入り、今後数十年にわたってウィーン・フィルとの関係がさらに発展していくことが期待されます。ネルソンスがこの名門オーケストラとどのような新たな音楽的遺産を築いていくのか、注目が集まります。
出典:Slipped Disc / The Violin Channel / OperaWire / WQXR などの海外主要メディア