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アーノルド・ウィッタル死去、90歳 20世紀音楽理論の世界的権威、十二音技法研究の第一人者

2026年06月06日 公開 近現代
Photo by Xingchen Yan on Unsplash

音楽理論の巨匠アーノルド・ウィッタル氏が90歳で死去

イギリスの音楽学界を代表する理論家、アーノルド・ウィッタル氏が亡くなりました。90歳でした。The Violin Channelが報じています。

ウィッタル氏は、20世紀および現代音楽の分析と理論研究において、世界的な権威として知られた人物です。特にシェーンベルク、ベルク、ウェーベルンらによる「第二ウィーン楽派」の無調音楽や十二音技法の研究で多大な功績を残しました。十二音技法とは、オクターブ内の12の音をすべて平等に扱い、独自の音列を基に作曲する20世紀初頭に生まれた革新的な手法です。

1935年生まれのウィッタル氏は、ケンブリッジ大学で学んだ後、ロンドン大学キングス・カレッジで長年にわたり教鞭を執りました。同大学の名誉教授として、数多くの音楽学者や研究者を育成したことでも知られています。

彼の著作は、クラシック音楽を深く理解したい愛好家や専門家にとって必読書とされてきました。代表作「Musical Composition in the Twentieth Century」は、20世紀の作曲技法を体系的に解説した名著として評価されています。また、ブリテンやティペットといったイギリス現代作曲家の研究でも重要な論考を発表し、自国の音楽遺産の学術的評価向上に貢献しました。

ウィッタル氏の研究姿勢の特徴は、難解とされる現代音楽を、歴史的文脈の中で丁寧に読み解く点にありました。無調音楽や前衛的な作品に対して、単なる技術分析にとどまらず、なぜその音楽が生まれたのかという背景まで掘り下げる姿勢は、多くの読者に現代音楽への扉を開いたと思われます。

近年のクラシック音楽界では、20世紀の作品がレパートリーとして定着しつつあります。この流れの中で、ウィッタル氏のような理論家の仕事が果たした役割は非常に大きいといえるでしょう。演奏家が作品を解釈する際の指針を示し、聴衆が音楽を理解するための道筋を作ったからです。

死因や亡くなった詳しい日時については、現時点で公表されていないとみられます。しかし、彼が残した膨大な研究成果と著作は、これからも世界中の音楽研究者や愛好家に読み継がれていくことでしょう。現代音楽という複雑な世界を、明晰な言葉で照らし続けた知の巨人の逝去を悼みます。

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出典:Slipped Disc / The Violin Channel / OperaWire / WQXR などの海外主要メディア

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