ボストン交響楽団(Boston Symphony Orchestra)の動向を、筆者はここ数年注意深く追い続けています。アメリカを代表するこのオーケストラが、いま転換期を迎えているからです。
2024年シーズンをもってアンドリス・ネルソンス(Andris Nelsons)が音楽監督を退任し、楽団は新たなリーダーを探す局面に入りました。ネルソンスは2014年の就任以来、ショスタコーヴィチやブルックナーの交響曲全曲録音に取り組み、グラミー賞を複数回受賞するなど輝かしい成果を残しました。しかし近年は、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団との兼任による負担や、コロナ禍での活動制限もあり、ボストンでの存在感は薄れつつあったとの指摘もありました。
ボストン響は1881年創設という長い歴史を持ち、クーセヴィツキー、ミュンシュ、小澤征爾といった名指揮者たちがその音を磨いてきました。特に小澤の29年間にわたる在任期間は、日本のクラシックファンにとって特別な意味を持ちます。彼が築いた精緻で柔軟なアンサンブルは、現在も楽団の財産として受け継がれています。次期音楽監督の人選は、この伝統をどう発展させるかという問いへの答えとなるでしょう。
候補者としてはクラウス・マケラ(Klaus Mäkelä)やミルガ・グラジニーテ=ティーラ(Mirga Gražinytė-Tyla)といった若手指揮者の名前が音楽メディアで取り沙汰されています。筆者がボストン響を注視する理由は、この選択がアメリカのオーケストラ文化全体の方向性を示す試金石となるからです。正式発表の時期は未定ですが、続報を待ちたいところです。
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出典:海外主要メディアを参照し編集部にて再構成





